WTTコンテンダーとはWTT (World Table Tennis)が開催する卓球の国際大会で、世界ランキング上位者の出場人数制限がされているため、世界ランキングポイントを稼ぐのに適した大会です。
この記事ではそんなWTTコンテンダーの大会概要について、詳しくまとめたいと思います。
WTTコンテンダーとは
WTTコンテンダーとは、WTT (World Table Tennis)が開催する卓球の国際大会。WTTシリーズの中では最も下位の4番目に位置する大会です。
この大会の対象は世界ランキング21位以下の選手です。
トップランキング(世界ランキング20位以内)に入れていない選手が主に参加し、これらの選手にポイント獲得の機会を与えるという意義の大会になっています。
ちなみに、大会名となっているコンテンダー(contender)には競技者・挑戦者という意味があります。
コンテンダー(contender):競技者・挑戦者
ボクシングでチャンピオンタイトルに挑む挑戦者のことをコンテンダーと呼ぶように、卓球でもより上の大会、より上の世界ランキングを目指していく選手たちが出場するにふさわしいネーミングになっています。
大会概要
種目は男女シングルス・男女ダブルス・混合ダブルスの5つで、年間の開催は最大14回となっています。
他の大会に比べて開催数が多くなっているのは、多くの国・地域で開催することで移動時間や遠征費などを考慮して多くの選手に公平に機会を与えるためだと考えられます。
WTTコンテンダー | |
---|---|
年間開催数 | 最大14大会 |
大会日数 | 本戦4日間、予選2~3日間 |
種目 | 男女シングルス・男女ダブルス・混合ダブルス |
賞金総額 | 5~7万USドル(約760万〜1060万円) |
世界ランキングポイント
WTTコンテンダーで得られるWRポイントは以下のとおりです。
種目 | 🏆優勝 | 🥈準優勝 | Best4 | Best8 | Best16 | Best32 | 予選通過 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
男女シングルス | 400 | 280 | 140 | 70 | 35 | 4 | 15 |
男女ダブルス | 400 | 280 | 140 | 70 | 4 | 15 | |
混合ダブルス | 400 | 280 | 140 | 70 | 4 | 15 |
参考までに他のWTT主催大会で得られるポイントもまとめておきます。
賞金について
賞金総額は50,000〜70,000ドル。日本円にすると約760万〜1,060万円相当です。
過去3大会の賞金総額は以下のとおりです。
大会 | 賞金総額(米ドル) | 賞金総額(日本円) |
---|---|---|
2024.01 ドーハ | 80,000ドル | 約1,200万円 |
2023.11 太原 | 75,000ドル | 約1,130万円 |
2023.10 アンタルヤ | 75,000ドル | 約1,130万円 |
※賞金の日本円換算は2024年3月時点で計算しています。
試合形式
試合形式はトーナメント戦。
シングルスには32名、ダブルスには16ペアが出場します。
シングルス決勝のみ7ゲームマッチで行われ、その他の試合はすべて5ゲームマッチです。
出場選手枠
WTTコンテンダーの出場枠はシングルスが32枠、ダブルスが16枠です。
出場資格は世界ランキングに入っていること。世界ランキングに入っている全ての選手が対象になります。
種目 | 参加人数 | 内訳 |
---|---|---|
男女シングルス | 32名 | WRから18名 トップランキング(WR20位以内)2名 ワイルドカード3名 WTT推薦1名 予選通過者8名 |
男女ダブルス | 16ペア | WRから10ペア ワイルドカード2ペア 予選通過4ペア |
混合ダブルス | 8ペア | WRから6ペア ワイルドカード2ペア |
- WR:世界ランキングの略です。エントリー締め切り時点で判断されます。
- ワイルドカード枠:開催国が出場選手を選出できる枠です。世界ランキングに関わらずに選出できます。
- WTT推薦:主催者であるWTTが出場選手を選出できる枠です。世界ランキングに関わらずに選出できます。
シングルスの予選の人数は、開催国が 48選手以下/64選手以下/96選手以下 のいずれかから選択します。
出場制限について
①【協会参加人数上限】
WTTコンテンダーでは、特定の国の選手が多く出場して偏ることのないように、各協会から出場できる人数に上限が設けられています。
種目 | 上限人数 | 詳細 |
---|---|---|
男女シングルス | 各協会4名 | ・WR21位以下の選手の中で上位者から優先 ・予選、本戦合わせて4名まで ・ワイルドカード、WTT推薦で選出された選手は上限人数に含まれない |
男女ダブルス | 各協会8ペア | ・本戦、予選合わせて同協会ペアは最大3ペアまで ・それ以上は他協会ペアで組むこと |
混合ダブルス | 4ペア | ・予選、本戦合わせて最大4名まで |
②【上位20位選手の参加規制】
WTTコンテンダーの目的は世界ランキング下位の選手に出場の機会を与えること。
よって、PDR(Play Down Restriction)と呼ばれる、世界ランキング20位以内の選手の出場制限が設けられています。
- WR20位以内の選手は最大3名まで(開催国に裁量権)
- 開催国が選出しない場合は下位選手から順に選出される
- 国による出場人数制限等により6週間以内に「グランドスマッシュ」「WTTチャンピオン」に出場できなかった選手がいた場合、その選手を優先
- 協会参加人数上限にはカウントしない
基本的にはこれらの出場制限がありますが、このほか大会によって特例が設けられることも少なくないようです。
過去大会結果
過去大会の結果・歴代優勝者は別記事にまとめてあります。
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